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RevOpsCadenceというブランドで書く初めてのブログは、このウェブサイトのブランド名にもある「ケイデンス」について簡単にですが何を指すのかを記載します。
「売上の着地予測がズレる」そういったお悩みの声を耳にすることが仕事柄多いです。多くの企業では、営業の動きが属人的で、受注の案件管理もアートの要素が多いです。そうなると、経営者は最終的な数字が着地するまで実態を把握できません。この問題を根本から解決するのが、ケイデンスという考え方です。
「Cadence(ケイデンス)」とは、音楽における「一定のリズム」や「心臓の健全な鼓動」を意味します。レベニューを生み出す組織そのものに、乱れのないリズムを設計することを、「レベニューケイデンスを設計する」といいます。
レベニューケイデンスとは、レベニューに関わる活動を一定のリズムと頻度で繰り返す仕組みのことです。週次・月次・四半期ごとに、何を・誰が・どのタイミングで確認・意思決定するかを構造化します。音楽でいえば「拍子」にあたります。全員が同じリズムを刻むことで、組織全体の動きが同期され、問題の早期発見と素早い対応が可能になります。
レベニューケイデンスは「管理強化」ではなく、「予測精度の向上」と「意思決定の高速化」を目的とした経営の仕組みです。
市場環境の変化が速い現代では、月次レポートを見て動くのでは遅すぎます。競合の動向、顧客の離脱リスク、パイプラインの滞り。これらをリアルタイムに把握し、週単位で舵を切れる組織だけが成長を維持できます。
適切なケイデンスが設計されたレベニュー組織の場合、営業会議は単なる状況確認の場ではなくなります。新規や既存、商材の単価、商談期間などにより設計は異なりますが、定期的なパイプラインレビューにより、受注確度の高い案件が可視化されます。経営者はより正確な着地予測をもとに、採用・投資・コスト管理の判断ができるようになります。
正確に把握できることで、早期にリスクを検知し、対処することで「気づいたら失注していた」という事態は減ります。また、想定より下方着地するということを、着地する前に確実視できることによって、そのタイミングで問題点を見つけ出し改善のための打ち手を打つことが可能になります。週次のリズムがあれば、担当者レベルの問題が経営層に届くまでのタイムラグを大幅に短縮できます。
「感覚」や「経験」ではなく、データと事実をもとに議論する文化が育ちます。これが、スケールする組織の土台になります。
まずは「会議体」の見直しから実施しましょう。戦略→GTM戦略→営業目標→人員配置→KPIを設定したら、KPI毎にケイデンスを設計します。「参加者、確認する指標(パイプライン額・商談数・受注率)、アジェンダの型を決め、4週間継続してみてください。そのリズムが根付いたとき、組織の動き方が変わっていることに気づくことになると思います。
レベニューケイデンスは一夜にして完成しません。しかし、小さなリズムを一つ作ることが、予測可能な収益成長への第一歩です。
サイカワコーポレーション合同会社 代表社員
株式会社マルケト(現アドビ株式会社)にてインサイドセールス部およびゼネラルビジネス営業部を統括。営業組織改革、プロセス設計、マーケティングオートメーションを軸としたデジタルシフトを推進し、スタートアップから大手企業までテクノロジーを活用した収益組織の構築を支援。
株式会社みずほ銀行、株式会社リクルートおよび外資系IT企業にて10年以上にわたり法人営業に従事。外資系企業では営業・インサイドセールス・マーケティングを横断統括し、部門連携によるレベニュー最大化を推進。国内外でトップセールス・最優秀社員として多数の表彰を受ける。
2022年エンハンプ株式会社を創業し代表取締役、ゼロワングロース株式会社取締役CROに就任。RevOps構築およびGTM戦略設計を通じて企業の持続的なレベニュー成長を支援。営業モデル設計にとどまらず、パイプラインマネジメント、フォーキャスト高度化、部門横断データ統合を含むレベニューオペレーション全体の設計・変革を専門とする。日本におけるRevOps実践の第一人者として、レベニュー予測可能な組織モデルの普及に取り組む。
2026年2月、Xactly株式会社 日本GTM統括責任者(Head of GTM, Japan)に就任。2026年3月サイカワコーポレーション合同会社設立。
著書に『レベニューオペレーション(RevOps)の教科書 部門間のデータ連携を図り収益を最大化する米国発の新常識』(MarkeZine BOOKS)。